ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスを使いこなす
FXトレーダーに人気のオシレーター系指標。マーケットの買われ過ぎや売られ過ぎとい
った相場の過熱感を、視覚的に分かりやすく表示してくれます。RSI(Relative Strength
Index/相対力指数)やストキャスティクスなどがそれにあたり、広く使われています。
個人的には動きが滑らかなスローストキャスティクスを使う機会が多いですね。
オシレーター系指標の弱みと強味を理解する
オシレーター系指標はレンジ相場で、逆張りのエントリータイミングを計ることに大き
な効果を発揮してくれます。しかし一旦大きくトレンドが発生すると、インジケーター
の上または下に張り付いてしまったりして使えないなど、クロスサインを元に安易に逆
張りエントリーしてしまうと、損切りの連発または大きく含み損を抱えてしまう事にも
なりかねません。
オシレーター系指標を上手く使いこなすためには、ダイバージェンスを理解しておく事
が欠かせません。オシレーター系指標を単体で見るのではなく、チャート上にしっかり
とサインが現れてきますので、次の2つのダイバージェンスのパターンを覚えておきま
しょう。
ダイバージェンス(divergence)で転換示唆
まずはダイバージェンスについてです。トレンドに従いレートは高値・安値を更新した
ものの、オシレーター系指標の数値は更新できなかった状態となる事で、まさにチャー
ト上の指標数値とレートの逆行現象を示してくれる事をダイバージェンスといいます。
■ダイバージェンスの参考例 (スローストキャスティクスを使用)
ダイバージェンスは、トレンド相場の天井圏や底値圏になってきている状況を示唆して
いて、トレンドの終了ないし転換のサインとなります。サインの発生に気付く事ができ
れば、高値圏での買い・安値圏での売りを比較的回避できたり、いち早くトレンドの転
換を意識したエントリーの心の準備が可能となります。
ただし、注意点としてダイバージェンスが発生していても、反転が確実というわけでは
有りません。相場の勢いが強いトレンドの場合、サインが出ながらもトレンドが継続し
てしまうケースも少なくありませんので、あくまで「転換が近いのでは」という思考の
切り替えのサインとして見ていくのが良いかと思います。
ヒドゥンの意味は「隠された、隠れた」という事。ダイバージェンスとは逆で、ヒドゥ
ンダイバージェンスは、強いトレンドの継続を示唆しているサインとなります。
ヒドゥンダイバージェンスは、①オシレーター系指標の数値は切り上げてるのに、レー
トは前回高値を超えることができずに高値を切り下げている。(ダウ理論の高値切り下げ
が継続している)又は、②指標の数値は切り下げているのに、レートは前回安値を超えて
安値を切り上げている(ダウ理論の安値切り上げが継続)状態のことをいいます。
■ヒドゥンダイバージェンスの参考例 (RSIを使用)
このようにヒドゥンダイバージェンスでは、トレンドの基礎となっているダウ理論に基
づいた値動きによって、トレンドが継続していく可能性が高くなるのです。高値・安値
の切り上げ・切り下げといったポイントにも、しっかり意識を持ってチャートを見てい
く癖づけも出来るようになるかと思います。
オシレーター系指標を上手に使おう
オシレーター系指標を何となく、レンジ相場にだけ売買サインで利用するのではまだ使い
こなしているとは言えず勿体ないです。トレンド相場でも使える2つのダイバージェンス
をこの機会にポイントを押さえて覚えて頂き、エントリーの根拠のひとつとして上手にオ
シレーター系指標を使用していきましょう。
なお、順張りにしても逆張りでもエントリーの際には、もちろん損切り(逆指値)の設置を
お忘れなく。ダイバージェンスを利用したエントリーは、ストップ幅も比較的抑えられる
点もいいですね。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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