移動平均線(MA)のいろいろ
FXトレードを始めて、チャートにテクニカル指標を表示する時に『移動平均線(MA)』
を最初に表示して使ったという方も多いと思います。トレンドの方向性を判断するの
にも優れていて、べーシックでトレーダーにとても人気の高いテクニカル指標のひと
つですね。
目次
移動平均線(MA)の種類
移動平均線(MA/ムービングアベレージ)は、指定した期間のローソク足の終値(一般的
には)の平均値を一本の線で結んだものになります。文字にすると何だか難しく感じま
すが、チャートソフトでは期間を指定するだけで簡単に表示することができます。
移動平均線(MA)には、単純移動平均線(SMA)・指数平滑移動平均線(EMA)・加重移動
平均線(WMA)といった3種類があります。
単純移動平均線(SMA):Simple Moving Average
チャートにMAを表示する際にデフォルトの設定となっているのがSMAです。単純にロ
ーソク足〇本の終値の平均値が曲線ラインとなって表示されるものです。一般的に移動
平均線といえば単純移動平均線(SMA)の事を指していて、一番よく使われているMAと
なります。
指数平滑移動平均線(EMA):Exponential Moving Average
SMAの反応が遅いという欠点を補うために改良されたもので、EMAでは直近のレートを
2倍にするなど最新レートを重視した移動平均線です。単純移動平均線と比較すると、
振幅が小さくて反応が早くなるため、トレンドの転換をいち早く察知することができま
す。SMAに次いでトレーダーに人気のあるMAです。
加重移動平均線(WMA):Weighted Moving Average
過去のレートより徐々に直近のレートに比重を置いた移動平均線。WMAでは直近値にな
るほど大きな係数となっています。こちらも単純移動平均線と比べて直近の動きに敏感に
反応するため、トレンドの転換を早めに確認ができます。
下のチャートは3種類の移動平均線を表示していますが、同じ期間設定(期間25)でもこ
のような違いが現れます。《SMA:赤ライン /EMA:青ライン /WMA:黄色ライン》
移動平均線(MA)の使い方
最も簡単な使い方は1本のMAを使い、MAの傾きでトレンド判断することです。
MAが上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドという見方で、相場の状況を判
断することができます。また現在のレートがMAの上と下のどちらに位置しているかで
トレンドの継続性を判断できます。上向きのMAの上に位置していれば上昇継続中で下向
きのMAの下にあれば下降継続中という見方ですね。
トレンド中の相場で、参加者から意識されているMAが見つけられた場合は、MAタッチ後
反発を確認してエントリーするという使用方法もあります。
また、2本のMAを使うことでMA同士のクロスをトレンド転換の目安とする、GC(ゴー
ルデンクロス)とDC(デッドクロス)※のシグナルを利用して、エントリーポイントとする
使い方が一般的です。
※GCは短期MAが長期MAを下から上に抜ける事、DCは逆に短期MAが長期MAを上から下にふける事。
MAの基本的な使い方を知るために、『グランビルの法則』を学んでおく事は大切です。
移動平均線でよく使われる係数
MAでよく使われる期間ですが、5・10・20・21・25・75・200....等々多くのものが使
われています。様々な数値が使われていますが、これは個々のトレーダーのトレードスタ
イルや好み・相性、通貨ペア・時間軸などによってもそれぞれですので、実戦のトレード
の中で検証をしながら自分のスタイルに合った、最良の期間を見つけることが大切と考え
ます。
このMAの数値がベストだと言い切れるものやベストな組み合わせは正直ありません。た
だMAは一般的には期間が長いものほど、レジ・サポラインとしての力が強くなるものと
言われています。
レンジ相場では機能しない?
トレードにおいて非常に使い勝手のよいMAですが、やはり万能ではないことを知っておく
必要があります。FXはトレンドが出やすいといわれますが、レンジ相場の状態が多くの時
間を占めています。
レンジ相場では比較的狭い範囲でレートが上下するため、使用するMAやMAの組み合わせに
よっては、MAを挟んでレートが行ったり来たり、GCやDCが頻繁に発生してしまったりMA
がクロスした時には反転していたりといった弱点もあります。この点では他のインジケター
と併用したり相場の状況を把握して、エントリーの選択をしていかなければなりません。目
の前の時間軸のチャートだけでなく、より大きな時間軸のチャートのチェックも必要になっ
てきます。
選択するMAの数値を大きくすることや、組み合わせの長期MAの数値をあげるなどして、だ
ましを回避する方法などもありますが、最初のうちは頻繁にMAの数値を変えるのもお勧めは
できません。レンジはあえて見送ってレンジブレイクからエントリーを考えても良いのではな
いでしょうか。最も基本的なテクニカル指標でありながら非常に奥の深いMA、しっかり学ん
でいきたいツールのひとつですね。
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