トレンドフォローの基礎となる「ダウ理論」を知ろう
世間の話題はすでにリオオリンピック一色?という事と、時期的にも閑散相場となる
状況ですので、しばらく夏休みで自分も今週はもうほとんど、相場には参加をしてい
ません。オリンピックを深夜まで観戦して寝不足+トレードは夏季休暇という方も多
いみたいですね。今回は少し相場の基本に戻ってダウ理論についてです。
目次
ダウ理論とは
ダウ理論とは19世紀後半アメリカのジャーナリスト・証券アナリストだったチャール
ズ・ダウ氏が構築し提唱たものです。FXや株式などのチャート分析において、現在
でもたいへん重要なテクニカルのひとつとなっています。FXで勝っていくためには
欠かせない理論ですね。
ダウ理論は、6つの基本的な法則から成り立っている理論になります。今回ここでは
下記の6つの法則のうち、FXトレードで大切な2つに絞ってご説明させて頂きます。
『ダウ理論』基本的な6つの法則
・平均はすべての事象を織り込む
・相場には3種類のトレンドがある
・主要なトレンドは3段階から成り立っている
・平均は相互に確認されなければならない
・トレンドは出来高でも確認されなければいけない
・トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
主要なトレンドは3段階から成り立っている
ダウ理論では、タイトルの通り主要なトレンドは次の3つの段階となっています。
第1段階/トレンドが発生する初期の段階。先行的な少数の投資家が買い(売り)始める
仕込みの時期。FXビギナーの方にとっては解りにくく、ここを捉えるのは中々難しい
段階と言えるでしょう。値動きはまだ比較的ゆるやかな状態。
第2段階/トレンドが大きく進む中期の段階。先行的な投資家の後から、新たに多くの参
加者が追従する、値幅が最も大きくなる時期。トレンドフォローのトレードで、一番利
益をとりやすく狙いたいところとなります。多くの参加者が懐疑的な中でトレンドが大
きく育つ状態。
第3段階/トレンドの最終段階。先行的な投資家が初期段階に仕込んだポジションを利益
確定する時期。多くの参加者が楽観的となり、ここからは少し注意が必要な状態。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
トレンドは継続するという、トレンドフォローの基礎となる考え方で、ダウ理論の中で
も最もメジャーな理論でしょう。ダウ理論では、直近の高値・安値を重視します。
相場の状況には、上昇・下降トレンドとレンジがありますが、ダウ理論でトレンドは下
記のように定義されています。
上昇トレンドは、レートが直近の安値を更新することなく切り上げ、直近高値も切り上
げて上昇している相場。
逆に下降トレンドは、レートが直近高値を更新することなく切り下げて、直近安値も切
り下げて下降している相場。
ここでは上昇トレンドの場合について、具体的に上図をもとに説明します。
まず③のポイントが①を更新せず安値切り上げ、レートが②を更新(ブレイク)した時
点で上昇トレンドの兆し発生で上げ目線となります。この更新時点で買いエントリーす
るか、または上値抵抗線だった②のポイント周辺が、レジサポ転換(今までの抵抗線が
支持線に切り替わること)したのを確認してエントリーすることとなります。
理想は後者です。
またこの買いエントリーのストップは共に③の安値の下に置きます。
③のポイントを割ることなく高値・安値を切り上げたら、ストップ位置をトレールで切
り上げていき、基本は明確なトレンド転換まで、上昇トレンドについていきます。
この上昇トレンドでの転換シグナルは、高値を更新できず切り下げ⑧、安値⑦を明確に
下回って安値を切り下げたポイントとなり、ここからは基本下げ目線と切り変わります。
ただ実際の相場では、高値・安値ともに切り下げたあと仕掛けが入り、さらに高値更新
したりという事も良く起こります。転換ポイントはあくまで目線の切り替えとして考え
て、さらに上値が伸びる事も想定しておきましょう。決めつけるのではなく、常に柔軟
な対応も必要ですね。
なかなか図のような綺麗なトレンドと転換は現れてくれませんが、考え方としては概ね
このような感じで、トレンドを把握するようにしていきます。
まとめ
相場は波形を描きながら動いています。トレンド発生中にも、一時的に調整で逆方向へ
の動きもありますが、FXビギナーがトレンドに逆らった逆張りトレードや、一時的な
下げを狙ったトレードでは、利益を得るのは難しくなります。
勝っている多くのトレーダーは、大きなトレンドを把握しトレンドに沿ったトレードで
利益を上げています。基礎となるダウ理論をよく理解しておきましょう。
ただ、ダウ理論には明確な転換点まで待つと、大きく利益を削られてしまうという事な
どの欠点もあります。この事も踏まえ、トレンドラインや他のテクニカル指標などを、
併用して利益を逃さないことも大切です。
相場の動いていない週末などには、ダウ理論を意識してしっかりと過去チャートの検証
を続けて、ダウ理論に沿ったトレードに慣れていきましょう。
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