リスクオン相場とリスクオフ相場について
2016年は年初より、マーケットはリスクオフの相場となっています。先日英国で実施
された、EU離脱の是非を問う国民投票で離脱派が多数で勝利となった結果、世界経済
の先行き不安から更に、リスクオフが加速するという事が起きています。
このようにFXなどトレードの際に情報収集していると、しばしば登場してきて目にす
る言葉ですが、リスクオン(risk on)・リスクオフ(risk off)の相場というのは、どうい
ったものなのでしょうか。
目次
どういうマーケットの状況なのか
リスクオン相場とは、マーケットにおいて世界の経済状況が安定していて、これから
好転していくだろうという時、上昇している時などで、マーケットの参加者が楽観的
な心理状況で、リスク選好される強気(ブル)な相場状況の事を一般的に言います。
またその逆に、リスクオフ相場とは、マーケットにおいて世界の経済状況が不安定で、
これから悪化・景気減速していくだろうという時や、この先の見通しがたたない不透
明な時などで、マーケットの参加者が悲観的や不安な心理状況で、リスク回避の姿勢
が強まる弱気(ベア)な相場状況の事です。
○○ショックというものや、今回の英国EU離脱派勝利のニュースに揺れる相場など
は、まさにこのリスクオフ相場ですね。
リスクオン相場の傾向
リスクオン相場では、資産を収益の高いものに回そうという動きが活発になります。
投資家が積極的にリスクをとって、大きくリターンを狙うという動きが強くなります。
そのためリスク資産である、資源国などの高金利通貨が買われやすく、また株や原油
なども買われやすくなります。
その特長として一般的に、リスクオン相場は値動きが比較的安定していて、ゆっくり
と長く続くといった特長があります。こういった事から相場の世界で『買い』のこと
をロングと言ったりします。
リスクオフ相場の傾向
リスクオフ相場では、リスクの高い資産から資金を引き上げて手元に戻し、資産を安
全なものに回そうという動きが起こります。そのため比較的安定した通貨とされる、
米ドル・日本円・スイスフランなどが買われやすくなり、リスク資産は一斉に売られ
てしまうという傾向にあります。
リスクオフ相場は値動きが不安定で、短期間で一気に大きく動く事が多くなる特長が
あります。同じように『売り』のことをショートと言います。
最近では日本円が最強通貨?なのか、他が弱すぎるのか、本来の価値以上だと思いま
すが、リスクオフ=円高といった傾向がありますね。
また安定資産の代表的なものでもある金や、リスクの少ない国債などが買われやすく
なります。
リスクオン・リスクオフ相場のまとめ
近年ではインターネットの普及により、瞬時に情報が世界中に伝わるようになり、相
場の反応速度も一段と速くなっています。特にリスクオフ相場の時の下落速度が、短
時間でさらに速くなっているのではないかと思います。
そういった点でも、相場がオーバーシュート(行き過ぎのこと)してしまう割合も、
高くなっているのではないでしょうか。
また注目されている重要な経済指標の結果や、突発的なニュースなどによっても、リ
スクオン・リスクオフの相場の流れが変わったり、さらに流れを加速させたりします。
トレード中はこういった情報にも常に注意が必要ですし、プロの環境にはかないませ
んが、正確な情報を速く入手できるトレード環境も欲しいですね。
相場の急変動時には、FX会社のスプレッドが通常時とは違い、大きく開いたり注文
が入りにくくなる事も考えられ、トレードが不利になることも多々有ります。
FX会社選びでは、スプレッドの安定度や約定力の高さ、情報発信の速さなども、十
分に検討することが大切だと思います。