FXで覚えておきたい季節要因/相場のアノマリー前編
2016/09/07
相場には年間通じて色々な季節要因やアノマリーがありますね。その通りになるかは
別として、トレードをしている方ならある程度は興味を持ち、知識を入れておいて損
はないのかと思います。相場の動きは市場参加者の心理により影響を受けることを考
えると、やはりあながち無視もできませんね。
季節要因とは関係ないですが、最近米国雇用統計の時によく話題となる事の多い『ジ
ブリの呪い』なるものも、このアノマリーのひとつですね。
毎年どの時期にどんな傾向があるか忘れないように、備忘録も兼ねて月ごとにまとめ
てみようと思います。少し長くなりましたので前・後編となっています。
2000年以後の各月データ
その前に2000年以降2015年までの、ドル円の4本値をもとにご参考までに各月のデ
ータをまとめてみました。データ表は都合で1月が下となってます(スミマセン)
4本値データはヤフーファイナンスより取得しています。
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=USDJPY=X
■ドル円/2000年~2015年月間変動幅(月間安値と月間高値の差)
アベレージから見ると今年(2016年)のドル円はよく動いています。今のところでは
ありますが、年間平均値がリーマンショックの2008年をも上回っていて、2000年以
降最大値幅となってますね。
■ドル円/2000年~2015年月ごとに円高か円安か?(始値に対して終値は)
2000年からの16年間で、月ごとに円高円安どちらに動くかのデータは上記のような
結果となっています。意外というか不思議と12か月のうち5か月もの月が、円高円安
が同数の五分五分となっています。
ということで、上の表を踏まえて月ごとの傾向です。
月ごとの季節要因 (1月から6月)
●1月(2000年以後 / 円高円安は五分五分・平均変動幅4.63円)
・新年で休暇を終えたFXトレーダーたちが相場に戻り一斉に動き始める。
・値幅が大きくなる傾向あり。
・1月に年間の高値・安値を付けることが多い。
・欧米企業の決算期。
・1月効果というものが有り、1月の値動きがその年のトレンド方向となりやすい。
●2月(2000年以後 / 円高円安は五分五分・平均変動幅4.37円)
・1月の流れを引き継ぐことが多い。
・勢いがなく方向感が定まりにくい
・FX市場は閑散期。中旬に中国旧正月。旧正月後相場が動くこともあり。
・もみ合いや調整も入りやすく注意。
●3月(2000年以後 / 円安傾向62.5%・平均変動幅5.73円)
・日本企業決算期で外貨売り円買い需要が出やすく円高になる傾向。
公的資金の買いが入りやすい。
・ポジション解消が進みやすい
・下旬には東京市場が閑散になりやすい
●4月(2000年以後 / 円高傾向56.25%・平均変動幅4.74円)
・日本企業の年度初めで円安になりやすい。
・トレンドが発生しやすい。
・年度替わりで3/31~4/1にかけて大きく動きやすい。その後イースター休暇で
比較的緩やかに。
・下旬からGWの海外旅行に向けて、円が売られやすい。
●5月(2000年以後 / 円高傾向56.25%・平均変動幅4.72円)
・閑散期で値が振れやすい。
・海外ヘッジファンドの決算月で、ボラティリティ上昇し波乱起きやすい。
・世界的に目立ったものなし。GWで東京市場が閑散。
・セルインメイ(Sell in May)、株が売られやすい。
●6月(2000年以後 / 円高円安は五分五分・平均変動幅4.49円)
・閑散期で値が振れやすい。
・欧米企業の四半期決算で調整が起きやすい。
・決算後の新規トレンドが発生しやすい。
・日本企業ボーナス支給が多く、後半に相場が活発になりやすい。
『月ごとの季節要因』7月以降は、後編に続きます。