トレンド転換にいち早く気付く、天底のチャートパターン例
2017/01/21
トレードの結果の明暗を分けるもののひとつに、同じチャートを見ている中で何かに気付
けるかどうかという点が挙げられます。トレンドの転換のサインに気付き、エントリー目
線をいち早く切り替えられるように、天井圏、大底圏で発生しやすい代表的なチャートの
パターンを覚えておきたいですね。
今回は代表例として4つのパターンをご紹介致しますが、どのパターンもネックラインに
注目してレートがそのネックライン割れ(超え)をしたポイントを、ひとつのトレンド転
換のサインとして見ていくことができるものとなります。
目次
ダブルトップ・ダブルボトム
天底圏でよく現れるチャートのパターンとしてダブルトップ(2点天井)・ダブルボトム
(2点底)が知られています。その名の通り同程度の2つのレートを天底としてネックラ
インを超えてしまうと、これまでのトレンドが転換しそうだというサインとなります。
高値圏で現れるダブルトップの場合ですと、上昇してきたレートがレジスタンスラインに
はね返され、一旦押し目をつくり再度高値抜けを狙ってみたもののレジスタンスラインを
ブレイクできずに、売り方に押されて先ほどの押し目となった安値(ネックライン)を下
抜けて安値を更新してしまうと、売り方に軍配があがったこととなります。
安値更新、ここが一つ目の売りエントリーポイントとなります。ネックライン下には損切
り注文が多く入っている傾向があるため、ネックラインを下抜けて大きく下落することも
あります。
しかし下抜け後、一度は再度上を試してくる動き(リターンムーブ)が起こりやすいです。
最初のポイントでエントリーし損ねた場合には2つ目のエントリーポイントとして、ネッ
クライン近辺への戻りを待って、サポレジ転換後の再下落を確認して売りエントリーをす
ることができます。
※エントリー後の損切りポイント:基本的にはネックラインの上またはレジスタンスラインの上
(ネックラインとレジスタンスラインの価格差により、ケースバイケースでどちらかを選択)
トリプルトップ・トリプルボトム
その形からヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(ボトム)や三尊天井(逆三尊)など
とも言われます。これも有名すぎる天底のチャートパターンとなります。
トリプルトップの場合ですと、最初の高値で一旦下押しが入りその後再度上抜けて高値更
新し2つ目の高値ができます。始めの押しの安値がネックラインです。高値からまた下押
されるがまだ勢いが有りネックラインでサポートされて再度高値を狙うが今度は高値を更
新できないと、高値切り下げとなり売り方が勢いづきます。
ここでネックラインを割れてしまうと売りサインの点灯となります。なお、売りエントリ
ーのポイントはダブルトップと同じく、ネックライン下抜け時とリターンムーブでの戻り
売りとなります。
スパイクトップ・スパイクボトム
逆V字型の天井・V字型の大底となるパターン。急騰後に急落といった値動きで、時間軸
を上げてローソク足をみると大きなヒゲとなることが多いものです。重要指標発表時やク
ライマックス的な値動きなどで出現しやすく、急激な値動きでまさにトレンドフォローの
トレーダー泣かせの厄介なパターンですね。
スパイクトップ(ボトム)の特徴として反落が急でたいした戻りもない場合もあり、釣ら
れて順張りエントリーした場合、上手に逃げる(損切り)ことが出来ないと、短時間で非
常に大きな損失となってしまうこともあります。そのため初心者のうちにこのパターンで
高値掴みなどさせられて、エントリー恐怖症になってしまうということも...
しかしこのスパイクトップ(ボトム)というパターンも、為替相場ではよく見られるパタ
ーンですので、エントリー注文時に損切りを入れておくなど備えておき、注意しておきた
いものです。
ラインブレイク後、乗り遅れた時には飛び乗るなというのは、こういった値動きも天底圏
ではよく有るためです。リターンムーブ後にレジサポ転換を確認して、エントリーするほ
うが無難なのではないでしょうか。
ラウンドトップ・ラウンドボトム
ソーサ―トップ(ソーサーボトム)とも言われ、文字通り半円型の形を形成する天底でみ
られるチャートパターン。
ラウンドトップの場合ですと、強い上昇の後じり高やがてその後じり安といった展開など
で、比較的緩やかで弧を描く形で安値圏でもみ合ったのちにネックラインを割れて下落す
るといったパターンのものです。他の3つのパターンほどの明確で急展開でもなく、形状
も完全な半円形にならないことも多いので、気付きにくいかもしれません。
チャートパターンまとめ
どのチャートパターンもよく知られているもので、大変多くのトレーダーがネックライン
を意識して注目していると考えられます。そのためネックラインの先には、ポジションの
損切り注文が集中していることが多いです。
ネックライン割れで最初のエントリーポイントとなりますが、ここを狙ったダマシとなる
こともあるため、ネックラインへのリターンムーブ後のレジサポ転換を確認してからのエン
トリーのが、どちらかというと安全かと思います。
高値圏・安値圏での、これらのチャートパターンはしっかり覚えておき、得意パターンと
して身に付けたていきたいですね。気付けなければ機会損失または痛手、気付くことがで
きれば利大のチャンスです。トレードの参考になれば幸いです。
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リターンムーブについてはこちらをご参考に / レンジ相場のブレイクアウトを見逃さない