バーナンキFRB前議長、ビックネームの影響は大きかった
7月8日米雇用統計のサプライズな好結果にも円相場は、一瞬上昇しただけですぐ
に上値を叩かれて、上値が非常に重くて今週の相場を心配する声も多くありました。
しかし『悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である』と
いう言葉の通りだったのか、参議院選挙後、今週に入ってからの相場は追加緩和期
待が一気に膨らみ状況は一変しました。
米株に後れを取っていた日本株が反転急上昇し、円相場もリスクオンの相場地合い
となりました。今回のこの上昇に一役買ったのが、来日して黒田日銀総裁・安倍総
理と会談したバーナンキFRB前議長でした。
4月に永久国債の発行について議論したとの報道や、「日本はまだ打つ手がある」
といった発言は、ヘリコプターベンことベン・バーナンキ氏のヘリコプターマネー
(中央銀行や政府が紙幣を大量にばらまく政策)の連想と景気刺激策への期待感の
影響がとても大きかったようですね。
これ以上の円高・株安を望まない方にとっては、このビックネームの影響力の大き
さが、救世主的な存在になったのではないでしょうか。
円相場は引けにかけては大きく下げましたが、この1週間でドル円は最大6円近くも
切り返しました。強かったですね~。堅調な米株価の安定感をバックに追加緩和の期
待感、流れが変わった時はこういうものなのでしょうか。
14日(木)に発表された英国の政策金利にしても、利下げがほぼ市場のコンセンサス
でしたが、結果はグッドサプライズの据え置きとなりました。米国や中国などの経済
指標等でも良い結果が目立つようになったのも、気のせいでも無いと思います。
ところが
やっと市場の悲観論は後退かというところで、トルコ軍のクーデター勃発・・・
週明けはどうなることやら・・・ただこのクーデターも早期に鎮圧され失敗に終わっ
たようで、取りあえずは一安心ということでしょうが、また新たな火種が残ってしま
った感は否めません。テロやらクーデターやら、何だか物騒な話題が多いのも気にな
ります。
幸い月曜日の東京市場は海の日で、株式相場は休場ということなので、悪い影響が少
ないといいですね。突発的に悪いニュースが出てきても、やっぱりまだ良い流れの中
にあるという事なのでしょうか?
今月末の28-29日の日銀政策会合までは、何とかもうしばらく相場には堅調を維持し
てもらいたいですし、29日の発表後には失望で反落とはならないような賢い政策を、
日銀には期待したいものです。
こちらもご参考にしてください。 リスクオン相場とリスクオフ相場について